読み方のガイド
JoyFarm の知識ベースは現場の実践知を読みやすく再構成したものです。監修前の項目は参考情報として扱い、急な病気や深刻なトラブルは鈴木さんへの相談を優先してください。
概要
「今月は何をすればいいの?」——これは JoyFarm のメンバーからいちばん多く寄せられる質問です。
このカレンダーは、菌ちゃん農法で有機野菜を育てる1年間の流れをまとめたものです。月ごとに、土づくり・種まき・植え付け・収穫・その他の作業を整理しています。お住まいの地域や年ごとの気候によって、時期は前後しますので、±2週間を目安にご自身の環境にあわせて調整してください(このカレンダーは関東・中部地方の気候を基準にしています)。
菌ちゃん農法は土を育てる農法です。最初の1年は「土と仲良くなる年」くらいの気持ちで大丈夫。焦らず、季節の流れに沿って少しずつ進めていきましょう。
❄️ 1月(睦月)
冬のいちばん寒い時期。糸状菌の活動が鈍る季節です(菌ちゃん農法では12〜2月は養生期間にカウントしません)。畑はお休みですが、この時期にしかできない大切な準備があります。
土づくり
- 畝は黒マルチをかけたまま冬越し中。触らずにそっとしておきましょう
- 土の中では菌ちゃんたちがゆっくり休んでいます
種まき・植え付け
- この時期の種まき・植え付けはありません
収穫
- この時期の収穫はありません
その他
- 落ち葉・木チップの収集 — 冬は有機物を集める絶好の季節です。公園や神社の落ち葉、造園業者からの木チップなど、できるだけたくさん集めておきましょう
- 1年間の栽培計画を立てる — 何を育てたいか、家族で相談してみましょう。種のカタログを見るのも楽しい時間です
- 容器・道具の点検と修理 — プランターのひび割れチェック、支柱やネットの補修など
- 種の注文 — 人気品種は早めに売り切れることも。1月中に注文しておくと安心です
❄️ 2月(如月)
まだまだ寒い日が続きますが、少しずつ日が長くなってきます。春の準備を本格的に始める月です。
土づくり
- 畝は引き続き冬眠中。マルチの下を覗いてみて、土の状態を観察してみましょう
- 1月に集めた有機物を屋外で野ざらしにし始めます(春の畝づくりに向けた事前発酵)
種まき・植え付け
- この時期の種まき・植え付けはありません
収穫
- この時期の収穫はありません
その他
- 有機物の野ざらし開始 — 落ち葉や木チップを雨ざらしの場所に広げて、糸状菌がつくのを待ちます
- 引き続き有機物の収集 — まだ間に合います。たくさん集めておくほど、土づくりの選択肢が広がります
- 栽培計画の仕上げ — 種の到着を待ちながら、植え付け場所やコンテナの配置を考えましょう
🌸 3月(弥生)
春の訪れとともに、菌ちゃん農法のシーズンが始まります!糸状菌も少しずつ目を覚まし始める時期です。
土づくり
- 新しい畝づくりを始める方はこの月から! Phase 1(畝の成形・有機物投入・黒マルチ張り)をスタートしましょう。養生に3〜4ヶ月かかるので、6〜7月の植え付けに間に合います
- 越冬した畝は、マルチをめくって糸状菌の活動を確認。白い菌糸が見えたら、今年も土は元気です
- 必要に応じて有機物を追加しておきましょう
種まき・植え付け
- 小松菜の春まき開始(3月中旬〜)。防虫ネットを忘れずに
収穫
- この時期の収穫はありません(前年秋に植えたものがあれば別ですが)
その他
- 有機物の野ざらしを継続。定期的にひっくり返して、まんべんなく菌がつくようにしましょう
- プランターの土を出して日光に当て、新しいシーズンに向けてリフレッシュ
- 霜が降りることもあるので、種まきした小松菜には不織布をかけてあげると安心です
🌱 4月(卯月)
暖かい日が増えて、畑仕事が気持ちいい季節。準備と種まきが忙しくなってきます。
土づくり
- 3月に始めた新しい畝の養生が進行中。週1回マルチをめくって菌糸の様子を確認しましょう
- 既存の畝は春の植え付けに向けて有機物の状態をチェック
種まき・植え付け
- 小松菜の春まき継続
- トマト・ピーマンを室内でポット育苗スタート(来月の定植に向けて)。種から育てない場合は、5月にホームセンターで苗を購入する計画を立てておきましょう
収穫
- 3月にまいた小松菜はまだ成長中
その他
- 夏野菜用のコンテナや支柱を準備しておきましょう
- トマト用の支柱・誘引ひも、ピーマン用の支柱を確認
- 畝の雑草が出始めるので、黒マルチの隙間から生えてくる分は早めに処理
🌿 5月(皐月)
いちばん忙しい月です! 夏野菜の植え付けが本格化します。ゴールデンウィークは畑作業にぴったりの時期ですね。
土づくり
- 畝に有機物を追加して、夏の栽培に備えましょう
- 新しい畝は養生2ヶ月目。順調なら菌糸が目に見えるようになってきます
種まき・植え付け
- トマトの苗を定植(遅霜の心配がなくなったら)
- ピーマンの苗を定植
- 空心菜の直まき開始(地温20℃以上が目安。5月中旬以降が安全です)
- 小松菜の春まき最終チャンス(5月上旬まで。暑くなるととう立ちしやすくなります)
収穫
- 小松菜の春まき分がそろそろ収穫時期! 種まきから30〜40日が目安です
その他
- トマトの苗は植え付け後すぐに支柱を立てましょう
- 水やりは朝のうちにたっぷりと。苗が活着するまでは特にこまめに
- 防虫ネットを活用して、害虫対策を忘れずに
☔ 6月(水無月)
梅雨の季節。雨が多くなりますが、夏野菜たちはぐんぐん成長します。
土づくり
- 梅雨時の排水チェックが重要です。高畝の通路に水がたまっていないか確認しましょう
- コンテナ栽培の方は、受け皿の水がたまりっぱなしにならないように注意
種まき・植え付け
- ナスの苗を定植(5月下旬〜6月が適期)
- 空心菜の種まき継続(6月上旬まで)
収穫
- 空心菜が勢いよく成長を始めます。茎が20〜30cmになったら初回の収穫を
- ピーマンは月末頃から最初の実が収穫できることも
その他
- 梅雨の長雨で病気が出やすい時期。葉が込み合っていたら、風通しを良くするために適度に整枝しましょう
- トマトのわき芽かきをこまめに(放っておくとジャングルになります)
- ナメクジや害虫に注意。防虫ネットの点検を
- ピーマンは最初の実(一番果)を早めに収穫すると、その後の実つきが良くなります
☀️ 7月(文月)
真夏の到来! 夏野菜の収穫が始まり、畑がいちばん賑やかになる季節です。
土づくり
- 暑さで土が乾きやすくなります。黒マルチの下の土が乾いていないか確認しましょう
- 有機物が分解されて減っていたら追加を
種まき・植え付け
- 人参の種まき!(7月が適期です。乾燥に注意して、発芽まで土を乾かさないように)
- 涼しい地域では小松菜の秋まきを7月下旬から始められることもあります
収穫
- トマトの収穫開始! 赤く色づいた実から順に収穫しましょう
- 空心菜は最盛期。1〜2週間おきにどんどん収穫してください。切るほど枝分かれして茂ります
- ピーマンは定期的に収穫。実を大きくしすぎると株が疲れるので、こまめに摘み取りましょう
- ナスが実をつけ始めます
その他
- 毎日の水やりが欠かせません。朝夕2回が理想的です
- トマトのわき芽かき・誘引を継続
- 人参の種まきは乾燥が大敵。もみ殻や不織布で覆って保湿するとよいです
🌻 8月(葉月)
暑さのピークですが、秋冬野菜の準備も始まります。夏野菜と秋冬野菜の端境期で、やることが盛りだくさんです。
土づくり
- 暑さ対策として、マルチの上に藁や刈り草を敷いて地温上昇を抑えましょう
- 来年の土づくり用の有機物を集め始める — 夏に集めて秋から野ざらしにすれば、来春にはちょうどいい状態になります
種まき・植え付け
- ダイコンの秋まき開始(8月下旬〜)
- 人参は先月まいた分の1回目の間引き(双葉の頃)
収穫
- トマト・ピーマン・ナス・空心菜 — すべての夏野菜が最盛期! たくさん採れる時期です
- ご近所やコミュニティメンバーとおすそ分けも楽しみましょう
その他
- ナスの更新剪定(こうしんせんてい) — 8月上旬に枝を大胆に切り戻し、根も一部切ると、秋に「秋ナス」として再び元気に実をつけてくれます
- 水やりは引き続き朝夕2回。特にコンテナ栽培は乾燥しやすいので注意
- 台風シーズンの備え。支柱の固定を再確認、強風対策を
🍂 9月(長月)
暑さが和らぎ、秋まきの絶好のシーズンが到来します。
土づくり
- 来年の畝づくりに向けた計画を立て始めましょう
- 夏野菜を片付けた場所に有機物を補充して、土を休ませる準備を
種まき・植え付け
- 小松菜の秋まき!(9〜10月は小松菜にとってベストシーズンです。虫も減り、気温もちょうどいい)
- ダイコンの種まき継続(9月上旬まで)
- 人参の2回目の間引き(本葉が出てきた頃)
収穫
- 夏野菜(トマト・ピーマン・ナス・空心菜)はまだ収穫できます
- 秋ナスが美味しい季節。「秋ナスは嫁に食わすな」ということわざがあるほど、秋のナスは格別です
その他
- 夏野菜の勢いが徐々に落ちてきます。実が小さくなったり、花が減ったりしたら、そろそろ片付けの時期
- 秋まきの小松菜には防虫ネットを。秋とはいえ、まだ虫はいます
- 秋の長雨に備えて、排水の確認を
🍁 10月(神無月)
秋が深まり、収穫の喜びと片付けの季節。夏野菜にお疲れさまを言って、畑を冬支度に向けて整えていきます。
土づくり
- 夏野菜を片付けたあとの畝に、厚めに有機物を入れましょう
- すべての植物残渣は細かく刻んで土に還します。来年の糸状菌のごはんになります
種まき・植え付け
- 小松菜の秋まき継続(10月上旬まで)
- ダイコンは成長中。込み合っていたら間引きを
収穫
- 小松菜(9月まき分)の収穫開始!
- 空心菜の最終収穫。残った茎葉は刻んで土に混ぜ込みましょう
- トマト・ピーマン・ナスの最後の収穫。緑のトマトも追熟させれば食べられます
- ダイコンの間引き菜はサラダや味噌汁でおいしくいただけます
その他
- 夏野菜の支柱・ネットを撤去して洗い、来年用に保管
- 片付けた植物はすべて土に還す意識で。菌ちゃん農法では「ゴミ」ではなく「土のごはん」です
- 来年の有機物(落ち葉など)の収集を本格的に再開しましょう
🍂 11月(霜月)
収穫の秋本番! 根菜類がおいしく育つ季節です。
土づくり
- 夏に使った畝をきれいに整理しましょう
- 畝の上に有機物(落ち葉・木チップ・枯れ草など)を厚く(10cm以上)敷きます。冬の間に糸状菌がゆっくり分解してくれます
- 黒マルチで覆って冬越しの準備を
種まき・植え付け
- この時期の新規の種まきはありません
収穫
- 人参の収穫! 7月に種をまいた人参が、ついに食べごろです
- ダイコンの収穫開始! 首が地面から顔を出して、太さ6〜8cmが目安です
- 小松菜の最後の収穫。霜に当たると甘みが増しておいしくなります
その他
- 収穫したダイコンや人参は、土に少し埋めておくと長持ちします
- 収穫の喜びを家族やコミュニティで分かち合いましょう。写真を撮って Discord で共有するのも楽しいですね
- 落ち葉が大量に手に入る季節。来年の土づくりのために、できるだけたくさん集めておきましょう
🎄 12月(師走)
1年間おつかれさまでした。畑は冬の休息期に入ります。
土づくり
- 最後の土壌改良。畝に有機物をたっぷり乗せて、黒マルチでしっかり覆いましょう
- この冬の間、マルチの下で糸状菌がじっくり有機物を分解してくれます
種まき・植え付け
- この時期の種まき・植え付けはありません
収穫
- ダイコンの収穫は12月まで続けられます。霜に当たったダイコンは甘みが格別です
- 畑に残っているものがあれば、年末までに収穫を
その他
- 1年間をふりかえりましょう。 うまくいったこと、難しかったこと、来年試したいことをメモしておくと、年を重ねるごとにどんどん上達します
- 落ち葉・木チップの収集を継続
- 道具の手入れと保管
- 来年の種カタログを眺めながら、次のシーズンに思いを馳せましょう
- 今年も土と向き合った1年、おつかれさまでした。ゆっくり休んで、また春に会いましょう! 🎉
年間一覧表
ひと目でわかる栽培カレンダーです。
凡例: ● 種まき ▲ 苗の定植 ★ 収穫 ○ 管理作業(間引き・剪定など)
| 作物 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 小松菜 | ● | ● | ●★ | ● | ●★ | ★ | ||||||
| 空心菜 | ● | ●★ | ★ | ★ | ★ | ★ | ||||||
| 人参 | ● | ○ | ○ | ★ | ||||||||
| ダイコン | ● | ●○ | ○ | ★ | ★ | |||||||
| トマト | ● | ▲ | ★ | ★ | ★ | ★ | ||||||
| ピーマン | ● | ▲ | ★ | ★ | ★ | ★ | ★ | |||||
| ナス | ▲ | ★ | ★○ | ★ | ★ | |||||||
| 土づくり | 資材収集 | 資材収集 | 畝づくり | 養生 | 養生 | 管理 | 管理 | 資材収集 | 計画 | 片付け | 冬支度 | 冬支度 |
表の見方: たとえばトマトの行を見ると、4月に室内で種まき(●)、5月に苗を定植(▲)、7〜10月に収穫(★)という流れがわかります。小松菜は春(3〜5月)と秋(9〜10月)の年2回まけるのが特徴です。
1年目のおすすめスケジュール
菌ちゃん農法を始めたばかりの方へ。最初の1年は「土づくり」と「育てやすい作物で成功体験を積む」ことが大切です。ここでは、無理なく4つの作物を収穫できるおすすめプランをご紹介します。
3〜4月:畝づくりスタート+小松菜で初収穫
- 畝づくりを始めましょう。 野ざらしにしておいた有機物を使って、高畝(45cm以上)を作り、黒マルチを張ります。ここから3〜4ヶ月の養生期間が始まります
- 待っている間は小松菜をコンテナで育てましょう! 深さ40cm以上のプランターに菌ちゃん農法の土を入れて、小松菜の種をまきます。30〜40日で収穫でき、「ちゃんと育つんだ!」という手応えが得られます
- 小松菜は菌ちゃん農法1年目の土でもしっかり育ってくれる、頼もしい存在です
5〜6月:空心菜で夏の葉物を確保
- 空心菜をコンテナで育て始めましょう。 地温が20℃を超えたらOK。こちらも1年目の土で力強く育ちます
- 一度植えたら秋まで何度も収穫できる、コスパ抜群の野菜です
- 「真夏でも葉物が食べられる」のは空心菜のおかげです
7月:人参の種まき
- 畝の養生が順調なら、菌ちゃんの畝に直接人参の種をまけるかもしれません。まだ養生中ならコンテナで
- 人参は発芽さえ成功すれば、あとは比較的手がかかりません。発芽まで土を乾かさないのがいちばんのポイントです
8〜9月:ダイコン+秋の小松菜
- 8月下旬にダイコンの種まき。 深いコンテナ(40cm以上)か、養生が終わった畝に直まきします
- 9月に小松菜の秋まき。 秋は虫が少なく、小松菜にとってベストシーズン。春よりもさらに育てやすいです
11〜12月:収穫の喜び!
- 人参、ダイコン、小松菜を収穫! 自分たちで育てた無農薬の野菜を食卓に並べる瞬間は、何にも代えがたい喜びです
- 子どもたちと一緒に収穫すれば、最高の食育体験になります
1年目のまとめ
| 時期 | やること | 作物 |
|---|---|---|
| 3〜4月 | 畝づくり開始 + コンテナで種まき | 小松菜(春) |
| 5〜6月 | コンテナで種まき | 空心菜 |
| 7月 | 種まき | 人参 |
| 8〜9月 | 種まき | ダイコン + 小松菜(秋) |
| 10〜12月 | 収穫! | 全作物 |
1年目で4種類の作物を収穫 できれば大成功です。最初から完璧を目指す必要はありません。失敗しても大丈夫。土は毎年良くなっていきますし、コミュニティのみんなが応援しています。Discord で悩みを共有すれば、きっと誰かが助けてくれますよ。
菌ちゃん農法は「土を育てる」旅です。1年目より2年目、2年目より3年目と、糸状菌のネットワークが充実するにつれて、土はどんどんふかふかに、野菜はどんどんおいしくなっていきます。このカレンダーを手元に置いて、家族みんなで季節の恵みを楽しんでください。
