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Field Notes

土づくり

菌ちゃん農法の基本となる土づくりの要点

読了目安

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セクション

10

出典資料

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読み方のガイド

JoyFarm の知識ベースは現場の実践知を読みやすく再構成したものです。監修前の項目は参考情報として扱い、急な病気や深刻なトラブルは鈴木さんへの相談を優先してください。

Process Map

土づくりは5つのフェーズで見ると迷いにくい

土を完成形で捉えるより、今どの段階にいるかで必要な作業を切り分けるほうが判断しやすくなります。

Phase 0

準備期

資材を集めて野ざらしし、糸状菌がつきやすい状態に整えます。

Phase 1

畝づくり

高畝・排水層・有機物層・黒マルチの基本構造を作ります。

Phase 2

養生

湿度と通気を保ち、白い菌糸が伸びる時間を確保します。

Phase 3

植え付け

菌糸が確認できたら苗を入れ、根をネットワークにつなげます。

Phase 4

維持管理

有機物を補充しながら、畝を崩さず繰り返し育てます。

「菌糸が見えない」状態でも、準備期や養生期にいれば失敗とは限りません。

概要

菌ちゃん農法の土づくりは、糸状菌(カビの仲間)の菌糸ネットワークを土中に構築することが核心です。糸状菌が有機物を分解しながらエネルギーを得て菌糸を張り巡らせ、窒素固定細菌や菌根菌との共生関係を通じて、植物に水分・栄養を供給します。

土の中で起きていること

  1. 糸状菌の増殖 — 炭素率の高い粗大有機物(木・竹・落ち葉)を分解しながら菌糸を土中に張り巡らせます
  2. 窒素固定細菌との共生 — 糸状菌が窒素固定細菌にエネルギーを分け与え、代わりに空気中の窒素を固定してもらう共生関係が構築されます
  3. 菌根菌による植物との共生 — 一部の糸状菌(菌根菌)が野菜の根に入り込み、菌糸ネットワークを通じて水分・栄養(リン酸含む)を植物に供給します
  4. 団粒構造の形成 — 菌糸が土粒子を結びつけ、水はけと水もちの良い団粒構造を形成します

黒マルチを張った高畝 — 菌ちゃん農法の基本的な畝づくり

畝づくりの手順(畑)

Phase 0:準備期(数ヶ月前〜)

炭素資材の準備 — もみ殻・木チップなど糸状菌のエサになります

有機物の調達と事前処理が必要です。

  • 木質系 — 丸太・枝・竹チップ・オガクズ。分解が遅く長持ち
  • 落ち葉系 — 杉・広葉樹の落ち葉。糸状菌がつきやすく推奨
  • 野ざらし期間 — 2〜6ヶ月雨ざらしで放置し、事前に糸状菌を付着させる。新鮮な有機物の直接投入はNG

Phase 1:畝づくり(3〜6月推奨)

  1. 高畝成形 — 45cm以上の高さ。通路の溝は傾斜をつけて排水確保
  2. 小枝を敷く — 底に5〜7cmの小枝を敷き詰め、踏んで圧縮(排水層)
  3. 土を入れる — 使い古した土(肥料分が残っていないもの)を9割程度。握って軽く固まる程度に湿らせる
  4. 有機物を乗せる — 野ざらしで糸状菌がついた落ち葉・木チップ等を高さ5〜10cm
  5. 土を薄くかぶせる — 有機物の隙間に土を軽くなじませる(埋めすぎない)
  6. 黒マルチを張る — ピンと張って固定。マルチ押さえを50〜60cm間隔で
  7. 空気穴を開ける — 畝の肩部分に2〜3箇所穴を開け通気確保
  8. 重しを乗せる — 土の塊を20cm間隔で乗せ、毛細管現象で保水

Phase 2:養生期間(1〜4ヶ月)

  • 3〜4ヶ月が目安。12〜2月の低温期はカウントしない
  • 週1回マルチをめくり、白い菌糸が張っているか確認
  • 土の匂い:発酵臭(良い) vs 腐敗臭(NG)
  • 湿り具合:握って軽く固まる程度が理想

Phase 3:植え付け(養生後)

  • 糸状菌(白い菌糸)が目視確認できたら植え付け可能
  • 春先(3〜5月)は糸状菌の活性が低いため、液肥を1回与えて根を伸ばし菌糸につなげる
  • 有機物をよけて穴を開け、少量の水を注いでから苗を植える

Phase 4:維持管理

  • 水やり — 基本は雨任せ。乾燥が続く時期は適宜補給
  • 肥料 — 原則不要。例外として春先の液肥1回、または初期生育不良時に米ぬか・油かす少量
  • 有機物の追加 — 減らないように定期的に補充。収穫後の穴にも有機物を詰める
  • 不耕起 — 畝は崩さず、有機物があるかぎり繰り返し植え付け可能

成功のポイント

ポイント詳細
排水確保高畝45cm以上 + 傾斜のある通路溝
有機物の質野ざらし2〜6ヶ月で糸状菌付着済み。炭素率の高い木・竹・落ち葉
適切な時期3〜6月に畝づくり、12〜2月はカウントしない
水分管理握って軽く固まる程度。過湿・乾燥を避ける
通気性確保空気穴 + 有機物層の隙間維持
1年目の作物選定マメ科を避け、葉物野菜(空心菜・小松菜等)を選ぶ

よくある失敗と対策

失敗パターン原因対策
糸状菌が出ない有機物が新鮮すぎる、湿度不足、低温期野ざらし延長、湿り調整、暖かくなるまで待つ
悪臭・うじ虫生ごみ等窒素分過多、過湿有機物取り除き、乾燥資材混合、通気穴増設
窒素飢餓(葉が黄色い)木質資材過多、窒素固定未確立米ぬか・油かす少量追肥、草系有機物追加
根腐れ排水不良、畝が低い高畝45cm確保、通気改善

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